【映画】“言葉”と“歌”だけで綴られるディーヴァと呼ばれた女性の切ない人生の真実『私は、マリア・カラス』

12月21日(金)全国公開『私は、マリア・カラス』は、音楽史に永遠に輝く才能と絶賛され、世界に一つの歌声と評され、高度なテクニックを自在に操る、オペラ歌手マリア・カラスの真実に迫っています。スキャンダルやバッシングの嵐の中、プロフェッショナルを信念に、倒れても歌うことを諦めなかった“カラス”と、ひとりの女性として愛を切望し、千々に心乱れ苦しみながらも、全てを受け入れようと変化していく“マリア”の姿を描いている、本作品をご紹介します。

デーヴァと呼ばれたひとりの女性の一生

本編は、数々のスキャンダルで連日のようにゴシップ紙の一面を飾った、28歳年上の男性との愛のない結婚、大統領やセレブも駆け付けたローマ歌劇場の舞台を第一幕で降りたことへの激しいバッシング、カラスに“クビ”を宣言したメトロポリタン歌劇場の支配人とのバトル、ギリシャの大富豪オナシスとの大恋愛と離婚、愛し合っていたはずのオナシスが、暗殺されたアメリカ大統領ケネディの未亡人ジャクリーンと結婚したことを新聞で知るという衝撃などの真実と、カラスの心の叫びが切々と吐露されています。その他にも、リラックスした表情や楽しむ姿を収録したプライベートフィルム、貧しかった少女時代などの個人的な写真、熱狂的なファンが無許可で撮影したパフォーマンス、関係者やファンから入手した肉声テープ、TV放映でカットされたインタビューなど、作品中には50%以上を占める世界初公開映像を含んでいます。

オペラのヒロインのような人生を送るマリア・カラス

© 2017 – Eléphant Doc – Petit Dragon – Unbeldi Productions – France 3 Cinéma

音楽史に永遠に輝く星となったオペラ歌手のマリア・カラスは、ひとたび聴けば忘れられない歌声と、高度なテクニックを自在に操る歌唱力、演じるキャラクターが憑依する女優としての才能、さらにエキゾチックな美貌と圧倒的なカリスマ性、民衆を虜にした不世出のデーヴァです。スターの座に上り詰めた彼女の名は、「完璧」を追い求めて自分にも他人にも妥協を許さないスタイルや、自尊心が高いゆえの周囲との衝突、そして世界を騒がせた恋愛など、数々のスキャンダルによって周知されました。しかし、世界から圧倒的な喝采を浴び続けた存在であるのにもかかわらず、決定的な幸せをつかむことができず、悲しみを胸に秘めながら、オペラのヒロインのような人生を送ります。頂点を極めてもなお高みを目指そうとするアーテイストとしての信念と、結婚や出産など幸せの間で揺れ動くひとりの女性としての姿は、仕事と家庭の選択を迫られている女性たちに深く共感を与えることでしょう。

観衆に特別なパワーを与えてくれる本編

© 2017 – Eléphant Doc – Petit Dragon – Unbeldi Productions – France 3 Cinéma

マリア・カラスのドラマティックな人生は幾度か劇映画化され、部隊や記録映像を集めたドキュメンタリー映画も公開され、彼女の伝説はコンプリートされたかのような見えましたが、没後40年にして未完の自叙伝を遺していたことが判明しました。〈真のマリア・カラスを探し求める旅〉で自叙伝を入手したトム・ヴォルフ監督は、彼女の親友たちから信頼を得て、封印されたプライベートな手紙や秘蔵映像・音源もふんだんに集めることに成功しました。過去の作品群とは一線を画す、マリア・カラス本人の生歌唱と言葉だけで綴られる“真実の告白”とともに、どんな波乱にぶつかっても自分の魂に誠実に生きた人生からほとばしる、観衆に特別なパワーを与えてくれるドキュメンタリー映画を、大スクリーンで全身で受け止めてみてはいかがでしょうか?

映画情報
『私は、マリア・カラス』
2018年12月21日(金)からTOHOシネマズ シャンテ、Bunkamura ル・シネマほか全国で順次公開
監督:トム・ヴォルフ
朗読:ファニー・アルダン
配給:ギャガ
HP:https://gaga.ne.jp/maria-callas/