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【番外編】作品で知る クリムト のおこぼれ話

現在、東京・六本木にある国立新美術館にて開催中の「 ウィーン・モダン クリムト、シーレ 世紀末への道 」。モダン・アート の黄金期と呼ばれている時代に生み出された作品群が一堂に集結している本展覧会のなかで、もっとも注目されている画家グスタフ・クリムト 。ここではそんなクリムトにまつわるちょっとした情報をまとめています。展覧会を愉しむ際の豆知識として、是非読んでみてはいかがでしょうか?

日本の芸術にインスパイアされていた

1873年に日本がウィーン万国博覧会に参加してからというもの、日本の神秘的な芸術はオーストリアの画家たちにインパクトを与え続けてきました。グスタフ・クリムトは、ウィーン分離派に属するたくさんの仲間と同じように、日本美術を大変好んでおり、色彩や空間、そして装飾の扱いかたなど様々な点でインスピレーションを得ていました。
クリムトは、日本の多色摺り木版画を所有していたばかりか、能面まで持っていたそうです。純日本人でも能面を持っている確率は低いのに、当時にしてみればとても稀であることは言うまでもありませんね。

芸術作品としての価値が認められる素描


クリムトの描いてきた作品の大半は油彩画やフレスコ画ですが、その為の準備として何百点もの素描が描き残されています。何点かの素描はおそらくそれだけで芸術的価値のある作品とされているんだとか。
コレクションの中でも特筆すべき作品といえば、数点の肖像画、『ヴェル・サクルム』などの雑誌挿絵習作、そしてウィーン・ミュージアムが所蔵する グスタフ・クリムト コレクションの大部分を占めるヌード素描です。

クリムトはこれらの素描を、工芸美術学校在籍中はもちろんのこと、生涯に渡り取り組み続けていました。素描を続けることでクリムトは技術の向上を目指していました。クリムトは様々なポーズを描くために多数のモデルを雇い、アトリエには順番待ちしている女性たちの姿があったそうです。

エミーリエ・フレーゲ と グスタフ・クリムト


本展のキービジュアルにも登場する エミーリエ・フレーゲ ( 1874-1952年 )。エミーリエは、二人の姉と共にファッション・サロンを経営した、独立した女性でした。
関係性としては、1891年にクリムトの弟 エルンスト とエミーリエの姉 ヘレーネ が結婚したことにより、クリムト家とフレーゲ家は親戚となりました。そして一緒に過ごす時間が増えたことから互いに惹かれ合い、尊敬、愛、自由意志などを内に含んだ親密な関係となります。
ですが、二人の具体的な間柄については、今もなお知る人はおらず…クリムトの没後、エミーリエが関連資料の多くを破棄したため詳細は不明ですが、エミーリエはクリムトが最も信頼したパートナーといわれています。


グスタフ・クリムト《エミーリエ・フレーゲの肖像》1902年 ウィーン・ミュージアム蔵

彼女がモデルとして描かれた《エミーリエ・フレーゲの肖像》は、ウィーン・ミュージアムが所蔵する作品のなかで最も有名で貴重な絵画の1つです。1903年に開催された「クリムト展」で初めて展示され、多くの好意的な評価を受けましたが、エミーリエ本人はこの絵を気に入らなかったのだそう。おそらく、彼女は心理的なニュアンスのある絵を好んでいたため、キャリアウーマンとしての肖像画ではなく、ウィーン社会に存在する淑女として描かれることを望んでいたに違いないでしょう。こうした理由からクリムトは1908年に、本作品をニーダーエスターライヒ州立美術館へ売却してしまいました。



いかがでしたでしょうか?
本展では、音声ガイドの貸出も用意されています(税込 550円 )。ウィーン世紀末を舞台に花開いた芸術文化の全貌を、俳優の城田優さんのナレーションにより詳しく読み解かれていますので、是非聴きながら芸術鑑賞をしてみてはいかがでしょうか?

本展覧会のレポート記事

【レポート】ウィーンの豊穣な文化を知る展覧会の決定版「 ウィーン・モダン クリムト、シーレ 世紀末への道 」