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【アートの楽しみかた】もっと、知る識る! フェルメール vol.2

前回は、フェルメールの一生を紹介しました!
一生を振り返っただけでも、フェルメールの画家とは違った側面が見えてきましたね^^

第2回目である今回は、展覧会を開くたびに長蛇の列ができるほど人気な、フェルメールの作品を見てみましょう!

初期に描いていたテーマは、宗教や神話

『マルタとマリアの家のキリスト』1654~1655年
(Photo byヴァーチャル絵画館(旧アート at ドリアン)

フェルメールは、初期の作品で宗教をテーマとした作品を描いています。現在開催中の「フェルメール展」で、最後の展示室に展示されている作品、『マルタとマリアの家のキリスト』は、宗教をテーマとした作品の一つです。

当初、フェルメールは「描くテーマ」として、宗教や歴史を選んでいましが、次第にテーマを変えていきます。
現在残っている作品のほとんどが、市民の生活を描いた「風俗画」と言われている作品です。

描くテーマを変えることにした2つの理由

プロテスタントが多い

この時代の作品を見ていく上で、ポイントとなるのが宗教のお話。
フェルメールが活躍していた17世紀のオランダは、キリスト教のなかでも、プロテスタントの多い国でした。普段、私たちが「なんて荘厳なの!」「美しい装飾♡」…と、うっとりする教会や絵画作品は、カトリック作品が多いのですが、プロテスタントはもっとシンプル!偶像崇拝を禁止し、聖書そのものを重視しています。
そのため、当時のオランダでは、宗教をテーマとした作品を依頼する、教会や王様が少なかったことが、フェルメールが風俗画を描くことに至った理由の一つとなっているようです。

絵画を購入する主なお客様は、市民!

もう一つは、オランダで絵画を注文するお客様が、商業で財を成した市民が中心であったことが挙げられています。貿易などが盛んだった当時のオランダでは、財力を得た商人たちが自宅に絵画を飾るようになりました。
そこで好まれた作品は、生きる上での日々の教訓であったり、戒めの言葉を簡単に言い表した、格言を忍ばせたような作品です。また、比較的小さいサイズの作品が多いのは、“市民の家に飾る大きさ”として、ちょうど良いからですね^^

アイテムにひっそりと忍ばせる、作品の真意

先ほど、絵画作品の中に教訓や格言とったものを忍ばせる、と言いました。それらを読み解く鍵となっているのが、主人公の周りに配置されているアイテムです。

これらは、フェルメールが描く“室内の光景”を飾っているだけでなく、作品に出てくる登場人物たちの心の動きや、作品の真意を私たちに伝えてくれます。
今回は『恋文』という作品を例に、どんなアイテムが作品の鍵となっているのかをご紹介します♡

画中画を忍ばせる…

画中画とは、絵画作品の中に描かれている絵画のこと。フェルメールの作品では、部屋の壁を飾ってくれるアイテムとして、度々出てきます。画中画は、聖書のお話や地図が描かれていることが多々あります。
今回例にあげている作品『恋文』では、“航海している船”が描かれています。これは“遠距離”を表しているそうです^^

楽器が意味することとは?

黄色い女性が手に抱えているものは、リュートと呼ばれる弦楽器です。当時の女性は、教養の一つとして楽器を習う習慣があり、フェルメールの作品でも楽器を弾く女性が多く描かれています。絵画に描かれている楽器が意味することは、“恋愛”や“求愛”です。

改めて、こちらの作品を見てみると…黄色い女性が手にしている“手紙”、壁にかけられた“航海している船”の画中画、そして恋愛を意味する“楽器”…。全てのアイテムがそろったとき、何か物語が見えてきませんか?^^
登場人物たち、一人ひとりの表情も合わせて鑑賞してみると、より一層作品の世界に入っていけそうですね!


アイテムの意味を知ると、フェルメール特有の優しい光に包まれた室内の光景に、心をドキドキさせるような物語が見えてきます。あなたは、どんな物語を想像しますか?
思い描いた物語を、一緒に作品を見に行った方や周りの方に伝えてみるのも、面白いかもしれません^^
きっといろんな物語が生まれてくるので、鑑賞後の楽しみが、一つ増えますね♡

アイキャッチ画像:Photo by kevin laminto on Unsplash