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【Classy アート鑑賞会 vol.15】『 塩田千春展 :魂がふるえる』アフターレポート

ライフスタイル系WEBマガジンにて美術展や映画の紹介記事をはじめ、
カルチャー系を中心に執筆活動している、ライターの新麻記子です。

先日、森美術館にて絶賛開催中の『 塩田千春展:魂がふるえる』にて
レクチャーを行いました【classy アート観賞会 vol.15】が無事に終了いたしました☆

今回アート鑑賞会の題材として選んだ…『塩田千春展 :魂がふるえる』は、
世界各地で精力的に様々な作品を発表しつづけ、これまで約300本にもなる展覧会に参加ている
塩田千春さんによる25年にわたる活動を網羅できる過去最大規模の個展です。

大型インスタレーションを中心として、パフォーマンス映像、舞台美術の関連資料、
ドローイング、立体作品、写真
など113点もの作品を紹介しているんですよ♪

参加者様には…
既に塩田千春さんの存在をご存知でいらっしゃる方はもちろんのこと、
本展覧会に足を運んだけど「もう一回鑑賞したい!」という意欲的な方々や、
“私たちが開催する対話型観賞会ってどんなんだろ?”と興味を持ってくださった方など、
ご新規様やリピーター様を含めて会場を巡りました…
ご参加いただきました皆様、本当にありがとうございます(涙)


こちらは観賞会の様子(※参加者様の許可を得て撮影しています。)

さて、私が『塩田千春展:魂がふるえる』を選んだわけは…
SNSにも話題に上がるほど注目されているのはもちろんですが、
彼女の想いが込められている “副題「魂がふるえる」” のとおり…
今一度、自分の魂と向き合ってもらおう!と思ったからです。

つまり、どういうことかというと。。。
心の底で感じていること、思っていることって、その場では頭に浮かびにくいんですよね。
常態化の日々を送っていると感情が麻痺し、なかなか上手く言葉が出てきません。

楽しい毎日を送っているときは「楽しい」って言葉がなかなか出てきませんし、
「苦しい」って、連呼する人はそれまでが苦しくなかったり、
怒っている人は「怒っている」という感情を麻痺させてたり。
「あの時は辛かったんだな」「あの時は幸せだったんだな」と…
日常的に味わっている感情は後で振り返ってみて気づくものです。

日常が忙しすぎてフィードバックができていないこともしばしば…
そんな方々に向けて感情の新陳代謝をアップさせることが大事だと考え、
塩田千春さんの作品からさまざまな想像膨らませたり、
ふつふつと湧き上がってくるものと対峙してもらうため、
今回の【classy アート観賞会】の題材として選びました。


こちらは観賞会の様子(※参加者様の許可を得て撮影しています。)

ここで!参加者様のご感想をご紹介します!

赤い糸を使用した作品や臓器を模した作品などから
身体に焦点を当てた展覧会だなと思っていたけれど、
黒い糸を使用した作品から“不在”と“存在”を解説を通じて教えていただいて…
その先に魂が共鳴しているのかな?と思いはじめ、その視点から他作品を鑑賞をしてすると。。。
スーツケースの作品からは「スーツケースの影から運命や魂を表現しているのかな?」とか見えはじめ、
ボルタンスキーでは魂の存在は絶対ない話していたけど、
その存在自体を信じてみてもいいかな?と思いました。
また、一人で鑑賞した時において…スーツケースの作品は人と人がぶつかる通勤電車を連想していましたが、
皆で写真を撮ったりしながら楽しく鑑賞すると、それぞれの人生を歩み、接触=出会いに思えて、
人と見ることで作品のあたたかさを感じることができました。(30代・男性)

作家のように死を目前にすると「魂ってどこにいっちゃうんだろ?」と不安や恐怖に苛まれると思うんですが、
行き着いたところに“記憶”や“思い出”…作品の中にその想いを込めることが答えの一つなのかな?と感じました。
その自分の気持ちを遺したいというエネルギー、その人間の熱量や強さを読み取ることができました。
自分は魂というのは記憶なんだな…と、観賞会を通じてより認識しましたね。
今回、初参加で「こんなに美術館で話していいのかな?」と不安になりましたが…(笑)
他参加者さんからの意見などが聞けて面白かったです。(40代・男性)

アーティストって自分の経験から生み出していくと思うんですけど…
ボルタンスキーだとホロコーストのトラウマからで、塩田さんはじわじわ身体を蝕んでいく癌の病から、
「生きる」ってどういうことだろ?「死」ってどういうことだろ?
「魂」と「身体」はどういうこと関係性にあるんだろう?と考えてらっしゃる思うんですが、
私の想像だと作者も悩んでいる様子が作品から伝わってきました。
現代アートという題材から難しいが先行してしまうんですが、
他参加者さんからの意見から考えるヒントを与えてくれたり、
一人だと「すごい!」でスーと通過してしまう作品でも、
その「何が?すごいのか…」というところまで考えるきっかけをくれました。(50代・女性)

黒い糸を使用したピアノの作品の前ではネガティブめな感想を言っていたかと思うんですが、
塩田さんのモティーフの糸により色んな物が包まれていることによって、
存在していた人との繋がりを視覚的に感じて前向きになれる感覚になりました。
目には見えないものを見せてくれる塩田さんの優しに触れることができました。
また、小さなミニチュアを赤い糸で繋げている作品の中に…
ピアノの奏者と観客をつないでいるものを発見し、感動させるのは“人の力”なんだなと感じました。
【classy アート観賞会】の参加は4回目ですが、毎回違うメンバーで雰囲気も変わるので、
これからも色んな人と観に行ってみたいと感じました!(20代・女性)

私は塩田さんとは魂の解釈が違うと思いました。
私は中島みゆきさんが好きなんですけど…(笑)
彼女の歌「命の別名」の歌詞を意訳すると『お前の命は心だろ!』ということなんですが、
心が健康じゃないと、命が生きていない。ということで…私の中に刻まれていて、
塩田さんは“心と身体混ざったもの”が=魂という認識なんだなと思いました。
私の中では“魂は普遍的なもののイメージ”があったから違うけど、
会場では言葉にできないほど訴えかけてくる作品もあり、揺れ動いている途中かもと勉強になりました。
現代アートって解説がないとわからないものだし、他参加者さんと意見を交わして導き出せるものもあって、
言語化が苦手だからこそ…「人の言葉を聞く」「人に言葉で伝える」という視点で鑑賞していくと
自分自身も成長できるかもと思いました。(20代・女性)

最初の赤い色を使った《不確かな旅》、順路途中の黒い色を使った《静けさの中で》が
特に印象に残っていて…赤い糸の作品は自身の身体を模してて、亡くなったら消失してしまうけれど、
黒い糸の作品は自身が亡くなった時のメタファー…その存在していた事実は変わらない。
自分は無くなってしまうけれど、自分以外の誰かには残っている。
その表裏一体のところにある存在じゃないですか?というメッセージを汲み取りました。
皆さんは黒い部屋が怖いと仰っていたけれど…僕は安心して落ち着きました!
多分、最後の部屋の《集積―目的地を求めて》も、トランクを使っていた人は亡くなってしまったけど、
トランクがあるからによって…存在の事実は変わらないし、なくならないと思います。
魂の存在は自分自身にあることはもちろん…
自分の体が朽ちても、他人には残るので、消えちゃうのに消えない。
自分の感覚を再認識できるとともに、改めてその感覚を大切にしようと思いしました!(40代・男性)

あまりにも多くのことを感じて…言葉にならないんですけど、、、
初参加だけど楽しかったし、他参加者の言葉や表情など、大変貴重な経験をさせていただきました!
自分が病に蝕まれているからこその他人に向ける慈しみや、
人間の誕生と酷似している宇宙から生まれる星の誕生など、
私たちにわかりやすいかたちで表現してくださっていました。
魂は、命、心そのものであって、心って変化して、それが一生続いていく、
命がなくなっても、心は遺っていく、人とのつながりを糸で…うまく言葉にできないけど。
この状態こそが自分の魂が震えているということなんでしょうね。(40代・女性)


こちらは観賞会の様子(※参加者様の許可を得て撮影しています。)

本当に主催者冥利に尽きる感想をいただきましてありがとうございます…!!!
塩田千春さんの作品からさまざまな想像膨らませ、
それぞれ湧き上がる感情と向き合ってもらい、
魂を震わせることができたかな?と思います。

なかなかフィードバックできない日々を過ごしていると、
時間、物事、事柄、人に流されることが当たり前になってしまうんですよね…
自分で感じることができなければ、物事について考えることはおろか、行動にだって移すことができません。
そんなキッカケ作りに【classy アート観賞会】に遊びに来てくださったこと感謝致します。

私は塩田作品のようにあんな赤い糸を紡いでいくことは難しいかもしれないけど、
【classy アート観賞会】を通じて出会えた人たちの記憶に存在できるように、
弱いものではなく、強く…細いものではなく、太く…繋がっていきたいな。。。

さて、次回は国立新美術館にて開催中の『カルティエ、時の結晶』にてお送りいたします。
ラグジュアリーだけじゃない!富や栄光の象徴だけじゃない!宝石の真髄に触れられる…
そんな素敵な時間を一緒に共有できましたら嬉しいです。
また、そちらも別途記事にてご案内申し上げます☆