MENU

ピックアップカテゴリー






Instagram

【観覧ペアチケット 読者プレゼント実施中!】

【レポート】ウィーンの豊穣な文化を知る展覧会の決定版「 ウィーン・モダン クリムト、シーレ 世紀末への道 」

現在、東京・六本木にある国立新美術館にて「 ウィーン・モダン クリムト、シーレ 世紀末への道 」が開催しています。本展は、「ウィーン・モダン」というタイトルに表れているように、この世紀末芸術を「近代化(モダニズム)への過程」という視点から紐解く、新しい試みの展覧会です。会場には、モダン・アート、モダン・デザインの黄金期と呼ばれている時代に生み出された作品群が一堂に集結しています。 歴史を辿りながら学べる、そんな魅力的な本展覧会をご紹介します。

時代と共に移りゆく絵画作品の概念


世紀末絵画のはじまりは、ナポレオン戦争(占領:1805-06,09年) 、そしてウィーン会議後の不安定な経済状況から、宗教画などの公的な注文は減少し、代わりに風俗画や風景画、肖像画といった私的なジャンルの絵画へ需要が高まりました。
肖像画は、かつて地位や権力を示すことを目的に君主や上流階級には特権的な芸術でしたが、ブルジョアたちが “しぐさや表情を通じて内面性を表現すること” を好むようになりました。
風俗画で傑出した才能を見せた画家が、ペーター・フェンディとヨーゼフ・ダンハウザーでした。両者の本展出品作は、ビーダーマイアー時代の光と闇の側面を美しく描き出しています。

ウィーン世紀末の巨匠の傑作が集結!


本展覧会では、クリムト47点、シーレ22点、ココシュカ17点と、ウィーン世紀末の巨匠の傑作が集結しています。
トップビジュアルに使用しているクリムトが最愛の女性を描いた ≪エミーリエ・フレーゲの肖像≫ をはじめ、シーレの《イーダ・レスラーの肖像》、ココシュカの《夢見る少年たち》などの 油彩画に加え、素描、ポスターなどのグラフィックを通して、モダニズムの黄金時代を築いた作家たちの作品世界を深く味わうことができます。

建築の近代化への変遷


建築の分野においても、近代化の影響が顕著に表れています。その代表例の一つが”郵便貯金局”の建築です。建物の正面は大理石のプレートで覆われ、光の満ちあふれる内部は、当時新しい素材であったアルミニウムや鉄、ガラスで造られています。
その建築設計を担当したのは、本展覧会でもフューチャーされている 建築家 オットー・ヴァーグナー。ヴァーグナーは、当時のヨーロッパで最も大規模な建設工事として有名な”ウィーンの都市鉄道”のデザインを一任されていました。他にも、聖レオポルト教会や郵便貯金局など、ウィーンの主要な建造物の設計を担当しており、それらは使用目的やデザイン・素材の全てに対して配慮されており、装飾は機能的な役割も兼ねています。

装飾重視のデザインから、日常に馴染むデザインへ


ウィーンは大々的に近代化され、再編成され、合理化され、そして世俗化していきました。
例えば、椅子はいままで壁と一体化した重厚で、座る人の権力を示す威圧的なものでありましたが、部屋の中央で親しい人々がテーブルを囲む際に座ることができる、軽やかに動かせるデザインへと変化しました。
銀器においても、これまでの装飾的なデザインを排し、素材の本質を追求するシンプルなフォルムと機能性が考慮されてきました。

本展覧会では、ビーダーマイアー時代の建築物やくつろぎ空間へと移行した室内装飾、家具、銀器なども展示されていますので、建築やインテリア好きなかたでも楽しめる内容となっています。

世紀末の退廃と背中あわせに「モダン・アート」へと向かう


この時代の芸術は、突如として誕生したものではありません。
18世紀に蒔かれた種が19世紀末に開花、結実したといえるでしょう。
それまでは過去を崇拝し、それを複製する歴史主義が支配的でしたが、18世紀の啓蒙思想からビーダーマイアー時代に発展し、ウィーンのモダニズム文化の萌芽となり、19世紀末の豪華絢爛な芸術活動へとつながっていったのです。


2019年、日本とオーストリアの外交関係樹立から150年目にあたる記念の年に開催された本展覧会。印象主義から表現主義に移り変わる時代の先駆者であり「ウィーン・モダン」の代表格といえるクリムトやシーレ、ウィーン分離派、ココシュカ、オットー・ヴァーグナー、ウィーン工房、アドルフ・ロースに至るまで、東京会場では約400点という、かつてない圧巻の作品数でその軌跡をたどります。
ウィーンが生んだ華麗なる芸術作品を、心ゆくまでご堪能してみてください。

東京展 展覧会情報

「 ウィーン・モダン クリムト、シーレ 世紀末への道 」

会期:開催中〜8月5日(月)

会場:国立新美術館 企画展示室1E(東京・六本木)
(〒106-8558 東京都港区六本木7-22-2)

休館日:毎週火曜日

開館時間:10:00〜18:00
※毎週金・土曜日は、5・6月は20:00、7・8月は21:00まで。
 5月25日(土)は「六本木アートナイト2019」開催に伴い22:00まで開館。
※入場は閉館の30分前まで。

観覧料金:
[一般] ¥1,600 (団体 ¥1,400)
[大学生] ¥1,200 (団体 ¥1,000)
[高校生] ¥800 ( 団体 ¥600)
※中学生以下は入場無料
※障がい者手帳をご持参の方(付添の方1名を含む)は入場無料
※団体料金の適用は20名以上、国立新美術館でのみ販売
※6月12日(水)~24日(月)は高校生無料観覧日(要学生証提示)

主催:国立新美術館、ウィーン・ミュージアム、読売新聞社
後援:外務省、オーストリア大使館/オーストリア文化フォーラム
   ウィーン市、ウィーン市観光局
特別協賛:キヤノン
協賛:花王、大日本印刷
協力:ANA、DNPアートコミュニケーションズ
   ヤマトグローバルロジスティクスジャパン、ルフトハンザ カーゴ AG
お問い合わせ:03-5777-8600(ハローダイヤル)
展覧会ホームページ:https://artexhibition.jp/wienmodern2019/

イベント情報

『藤井フミヤ×とに~ クリムト、シーレ ウィーン芸術の魅力』
日時:2019 年 6 月 14 日(金)15:00~16:00
会場:国立新美術館 3 階講堂 トーク:藤井フミヤ(ミュージシャン)、とに~(アートテラー)

クリムトやシーレの作品に深い造詣があり、本展のメイン作品であるクリムトの《エミ ーリエ・フレーゲの肖像》が特にお気に入りであるという藤井フミヤさん。自身も絵画 作品の制作に取り組み、ウィーン世紀末芸術から多大な影響を受けているという藤井フ ミヤさんと、アートテラー・とに~さんが対談形式でウィーン・モダンの魅力を語り合 うトークショーを開催します。

■藤井フミヤ(ミュージシャン)
1962 年生まれ。1983 年に「チェッカーズ」のボーカリストとしてデビュー。 93 年にソロデビューし、ファースト・シングル「TRUE LOVE」やドラマ主題 歌「Another Orion」などミリオンヒットを世に送り出し、あらゆる世代から 支持を得る。今年 7 月からデビュー35 周年記念の全国ツアー「十音(とおん) 楽団」を行う。ここ数年絵画制作にも旺盛に取り組み、今年 8 月 21 日から油 彩・切り絵・CG アートなど 100 点を展示する個展も開催する。

■とに~(アートテラー)
1983 年生まれ。元吉本興業のお笑い芸人。 芸人活動の傍ら趣味で書き続けていたアートブログが人気となり、現在は、独自の切り口で美術の世界をわかりやす く、かつ楽しく紹介する「アートテラー」として活動。美術館での公式トークイベントでのガイドや美術講座の講師、 アートツアーの企画運営をはじめ、雑誌連載、ラジオやテレビへの出演など、幅広く活動中。

《参加方法》
定員:250 名 ※事前申込制、
参加無料(申込多数の場合は抽選)。本展の観覧券(半券可)および当選はがきが必要。
受付期間:5 月 22 日(水)10:00~5 月 31 日(金)23:59
参加申込:展覧会HP(https://artexhibition.jp/wienmodern2019/)から申し込みフォームにアクセス。
※当選者の発表は、当選はがきの発送をもってかえさせていただきます。(6 月上旬発送予定)
※当選はがき1枚につき1名様のみご参加いただけます。
※お申し込みは、1 名様につき 1 回限りとさせていただきます。
※当日の参加受付は行いません。
※動画・写真撮影不可。
※譲渡不可。

関連記事のご案内

【グッズ】「 ウィーン・モダン クリムト、シーレ 世紀末への道 」モダニズムの軌跡を感じるグッズたち 【番外編】作品で知る クリムト のおこぼれ話