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【レポート】「金魚絵師 深堀隆介展 平成しんちう屋」

現在、平塚市美術館で開催中の「金魚絵師 深堀隆介展 平成しんちう屋」は、透明樹脂にアクリル絵具で金魚を描く現代美術家・深堀隆介による公立美術館初となる本格的な個展です。絵画でありながら立体的な躍動感にあふれ、不思議な美しさを湛えた金魚を存分に愛でる本展覧会をご紹介します。

金魚との出会い ー 金魚救い ー

金魚の持つ神秘性に魅了され、創作を続けている深堀隆介さん。
透明樹脂にアクリル絵具で金魚を描くという独自の斬新な手法で注目を集める若手現代美術家です。
1995年愛知県立芸術大学を卒業後深堀隆介さんは、名古屋のディスプレイ会社に勤務。しかし、その4年後に退職し、本格的に制作を開始、絵画と立体を並行して様々な作品を制作します。次第に自分が何をすべきか悩み、自信を失いかけていた頃、自室で飼っていた金魚の水槽が目にとまりました。7年間放置していた水槽で生き続けている金魚の存在に気づき、ふと思いつき水槽の蓋を開けて中を覗いてみると、妖しく光る背中がとても綺麗に見えたのだそう。その美しさに創作意欲を掻き立てられ、金魚と自分を重ね合わせながら、現在に至るまで表現を追求してきました。
深堀隆介さんは、この出来事を「金魚“掬い”」と“救い”の言葉をかけて、「金魚“救い”」と呼んでいます。

本物さながらの金魚が生まれる手法

 

極めて独創的なその技法は、器の中に樹脂を流し込み、その表面にアクリル絵具で金魚を少しずつ部分的に描き、その上から樹脂を重ねていく作業を繰り返していきます。その行程を重ねるていくことにより、まるで生きているかのような金魚が表現され、圧倒的な立体感とリアリティで人々を魅了します。樹脂が固まって次の層が描けるようになるまでは2日程かかり、使用している樹脂は寒くなると気泡が発生するため、常にあたたかい温度を保っておかなくてはなりません。上から見ると本物さながらの金魚ですが、横から見ると線の重なりにしか見えません。絵画作品と立体作品との境目に揺さぶりをかけるその作品は、今や国内はもとより世界的に高い評価を受けています。

本展覧会の見どころ

代表作約200点を一挙公開される本展覧会…その中でも、初公開となる新作インスタレーション作品「平成しんちう屋」は圧巻!同作品や展覧会のタイトルにもなっている「しんちう屋」とは、江戸時代に上野・池の端にあった金魚屋の名前です。当時江戸では金魚がブームになっており、金魚屋が多く存在していましたが、しんちう屋はその中でも大きな金魚屋だったのだそう。同作品は、日本の金魚の競りや香港にある金魚街からインスピレーションを受けて構成されています。金魚の競りで使用されるカンコと呼ばれる木箱や袋づめにされた金魚を想像させるものが並び、“深堀金魚”による独特の世界を体験することができます。

会期中は、ワークショップや作家による作品解説ツアー、公開制作が行われるなど、様々なイベントが予定されています。是非、夏の風物詩である金魚の不思議な美しさを湛えた世界をご堪能ください。

美術展情報
『金魚絵師 深堀隆介展 平成しんちう屋』
会期:2018 年7 月7 日(土)~ 9 月2 日(日)
会場:平塚市美術館

時間:9:30 ~ 17:00( 入場は16:30 まで)
※8/4(土)~ 8/19(日)は18:00 まで開館(入場は17:30 まで)
休館日:月曜日(ただし7/16 は開館)、7/17(火)
公式サイトhttp://www.city.hiratsuka.kanagawa.jp/art-muse/